摩耗に強い鉄板 どんな加工ができるのか?? 溶接の注意点
- 加工事例
- ABREX
摩耗に強い鉄板の加工。
一般的には耐摩耗鋼板という鉄板があります。
こちらは、トレーラーのベッセル、ホイールローダーのバケットなどなど強い摩擦に耐えうる耐摩耗に特化した鉄板です。
- 日本製鉄のブランドであるABREX(アブレックス)系:ABREX400、ABREX450、ABREX500 etc.
- SSABのブランドであるHARDOX(ハルドックス)系:HARDOX450、HARDOX500 etc.
- JFEスチールのブランドであるEVERHARD(エバーハード)系:EVERHARD-C400、EVERHARD-C500 etc.
などなど、、
各鉄鋼メーカーが独自のブランドで耐摩耗鋼板を製造しています。
~溶接について~
耐摩耗鋼板は溶接性にも配慮された優れた鉄板です。
ただし、不適当な溶接では低温割れを引き起こす可能性もあります。
ここでは、日本製鉄の耐摩耗鋼板アブレックス(ABREX)を例に適切な条件の概略をご説明いたします。
A107_ABREX®(アブレックス) ー溶接ガイドラインー (nipponsteel.com)
↑↑↑ 詳しくはコチラのカタログをご覧ください。
まず、溶接材料を選定します。ここでのポイントは以下の通りです。
- 溶接部の耐摩耗性を考慮しない場合、低強度の溶接材料の方が高強度より低温割れが抑制されやすい。
- 溶接部の耐摩耗性をある程度考慮する場合、溶接金属硬さHBW240、300クラスの高強度溶接材料を選定する。
- 高強度溶材は必要予熱温度を確認する必要がある。(100℃~150℃推奨。上記リンクのガイドライン参照)
- その場合の予熱は使用する鉄板側の必要な予熱と比較し、温度の高い方を採用する。
- 予熱を低減する場合はステンレス溶材を使用することもできる(ただし高価)
- 次に実際の予熱です。ここでのポイントは。。。(上記リンクのガイドライン参照)
- 溶接部の耐摩耗性を考慮しない一般溶材の場合、おおよそ板厚10mmまでは室温で溶接可能(予熱不必要)
- 溶接部の耐摩耗性を考慮する高強度溶材の場合、100℃~150℃の予熱が必要。
- 材質と板厚によって高強度で板厚が厚くなるほど、予熱温度は高くなる。(MAX200℃推奨)
日本製鉄製の耐摩耗鋼板アブレックス(ABREX)の場合、材質はABREX400、ABREX450、ABREX500、ABREX600と硬さによってグレードがありますが、ABREX400であれば溶接部の耐摩耗を考慮しない一般溶材の場合、板厚約20mmまで室温で溶接が可能です。
(ただし、気温5℃以下の場合は20℃以上への予熱が推奨されています)
一方で、ABREX500の場合では同条件で予熱50~100℃が必要と推奨されています。
その他、個別の条件にも左右されますので、リンクのガイドラインを目安として、予熱をかけることをお勧めします。
その他、リンクしたガイドラインには、様々注意点が明記されていますので、溶接する際は、目安として確認されることをお勧めします。
耐摩耗鋼板は熱をかけすぎるとその部分が鈍って、硬度等が低下する場合があります。
溶接部およびガス切断部に近いところなどで鈍るということです。
そういったこともあり、ライナー(内張り)用途であれば、ザグリ孔のボルト締め形状が良く見受けられます。
交換する際、溶接するよりボルト締めの方が楽になるメリットもあるようです。
弊社では先のブログで紹介しました切断はもちろん、耐摩耗鋼板を使った製缶品の製作も行っております。
またライナー(内貼り)用途でのザグリ孔も製作しております。
耐摩耗鋼板の溶接や加工に少し不安を感じられたら、是非お気軽に弊社までお問合せください。
また、製缶品そのものも見積もりフォームから図面データを頂ければ、すぐに見積もり、製作が可能です。
こちらも是非お気軽にお問合せください。
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